にっせん奮闘記

新任の小学校教諭です!日々の学びを記録していきます!

子供が怒る理由は1つ

 最近物事をシンプルに考えることがにはまっています。抽象化とでもいいましょうか。今回は子供(というか人間)が怒る理由はとてもシンプルなのではないかと考えたので、ブログにしてみました。

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怒りとはどういう状態か

 大雑把に言うと、自身の身体や精神が危機にある時に生じる自己防衛反応が怒りと言う感情らしいです。ですので、怒りという感情自体は生存戦略の一つであり、悪者ではありません。

怒りがもたらすもの

 しかし、怒りっぽい人と一緒にいると疲れてしまいますよね。私は小学校で担任をしておりますので、子供達が怒りまくっていたら学級崩壊まっしぐらです。社会人としては上司や同僚の怒りを買ってしまうと仕事がスムーズにいかなくなります。配偶者やお子さんがいつも怒っていたら、プライベートでも気が休まらないですよね。生存にとって必要なものとはいえ、怒りっぽい人とはあまり一緒に居たくないものです。

怒らせている原因は誰にあるか

 怒りっぽい子(人)というのは確かに存在します。しかし、彼らも一つ一つなぜ怒っているのか理由があります。本人は「なんか気に食わない」と思っていることでも、客観的に分析すると様々な理由が見えてきます。「一緒に遊んでいた友達がルールを守らなかった。」「先生に注意された。」「ゲーム(アクティビティ)に負けた。」「テストで100点取れなかった。」「雨で外に出られない。」などなど、「え、そんな些細なことで怒るの?」と思ってしまうことで怒る子はたくさんいます。当然、怒らないように指導するという作戦もありますが、いちいち怒った後に対応していたらこちらも疲れてしまいます。なるべく彼らには穏やかに過ごしてほしいものです。

怒りの理由の根底にあるもの

 では、なぜそんな些細なことで怒ってしまうのでしょうか。それは、「自分の予想と現実のギャップ」です。この落差が大きければ怒り(人によっては悲しみ)が大きくなり、上げ幅が大きければ喜びが大きくなります。例えば、「一緒に遊んでいた友達がルールを守らなかった。」の背景には、「ルール通りにコーナーキックにしてくれたら、僕にパスが回ってきてうまくシュートが決まった。」という予想(期待)が頭に浮かんでいたのに、ラインをはみ出てもドリブルを続けている仲間がいるから「自分にボールが回って来ずに活躍できない。気持ちよくない。」という現実にギャップを感じ、もっともらしい理由(ルールを守らない)を見つけて怒るのです。ただ、子供はこの思考回路が無意識であるためうまく説明できず、大人は「なぜそんな些細なことで怒るのか」と思ってしまうのです。

 例えば「ノートをちゃんと取りなさい。」と言われてキレてノートを投げつける子供がいたとしましょう。その子は4月からの担任との関わりで、「この先生はサボっていても怒らないな。」という見通しがありました。それが、3学期になって管理職から「授業規律がなっていない」という指導を受け、急に注意しだしたのです。大人からすると「ノートを取らないことを注意しただけで、なぜ怒るのか。」と考えてしまいますが、その子なりの見通しが裏切られたために怒ったのです。当然今回はもっともらしい理由を見つけられなかったからでしょう、ノートを投げて教室から飛び出した後に話を聞いても、なぜ怒ったのか自分でも理解できていない様子でした。

黄金の3日間

 向山洋一氏は4月の始業式から3日間のことを、1年間の学級経営を決定づける「黄金の3日間」と呼びました。最初の3日間は、お互いの関係性がわからず、見通しが立たないので、現実とのギャップが比較的少なく、大人しく見えるのです。さらに、お試し行動が多いのも、見通しを持てたほうが安心するからでしょう。ですから、どの方も口を揃えて言っていることですが、「最初にいかに毅然とした態度を取り続けることができるか」が大切なのだと思います。ノートで注意されて怒っていた子も、「この先生はサボっていたら怒られる。」という見通しがあれば、そこまで怒らなかったことでしょう。

 自分の担任している子に、「こういうことは叱られる」「こういうことは褒められる」という見通しを持たせてあげることが、安心感のある学級経営には大切なのではないでしょうか。